
【結論】住宅ローン審査に落ちる主な理由は、
①携帯料金など信用情報の些細な延滞
②車のローンなど他の借入
③転職のタイミング
④団体信用生命保険(団信)の健康告知
⑤虚偽申告
⑥返済負担率・年収倍率の基準超過
⑦個人での直接申込み
の7つです。原因を正しく把握して対策すれば、再挑戦は十分可能です。
本記事では、それぞれの理由と対策、審査に落ちてしまった場合の具体的な選択肢まで、住宅会社の現場目線で詳しく解説します。

【本コラムの解説者】PG HOUSE アドバイザー/三村賢澄
豊富な資金計画の経験を持つ現場のプロ。一般論ではない実例に基づく提案と親身な人柄でお客様の心を掴み、名指しで高評価の口コミが絶えない、安心してお任せいただける家づくりのアドバイザーです。
住宅ローン審査において、モデルハウスへ来場する相談者の9割以上は「自分は年収も勤続年数も問題ないため、確実に借りられる」と思っています。
しかし、金融機関は年収だけでなく、個人の信用情報や生活習慣を細かく調査します。調査の結果、本人が記憶していないような些細な履歴が原因で融資を断られる事例は、日常的に発生しています。
「自分は大丈夫」という思い込みこそが、最大のリスク要因となります。

住宅ローンの審査には「仮審査(事前審査)」と「本審査」の2段階があります。
仮審査は物件の売買契約前に、金融機関が申込者の年収・勤続年数・信用情報などをもとに「大まかに融資できそうか」を数日程度で判断するものです。
一方、本審査は仮審査を通過したうえで、団体信用生命保険(団信)の加入審査や勤務先への在籍確認、より詳細な書類確認を経て、実際に融資を実行するかどうかを最終判断する審査です。仮審査で問題がなくても、団信の健康告知や在籍確認の結果によって本審査で否決されるケースもあるため、「仮審査に通った=住宅ローンが確定した」と考えるのは早計です。
年収・勤続年数・雇用形態、他の借入状況、信用情報機関に記録された延滞・滞納履歴などをもとに、短期間でおおまかな可否を判断します。
団体信用生命保険(団信)の健康告知、勤務先への在籍確認、より詳細な収入証明・物件確認などが加わります。仮審査より時間がかかり(1〜2週間程度が目安)、ここで初めて持病や勤務実態が問題になるケースもあります。
実際にPG HOUSEへ相談に来られた方の事例からも、審査に落ちる理由は次の7つに整理できます。
「自分は大丈夫」と思っている方ほど、次のいずれかに当てはまっていないか、一つずつ確認してみてください。
それぞれの理由と対策を、次から詳しく解説します。
住宅ローン審査で最も重視される個人信用情報には、クレジットカードやローンの支払い履歴が詳細に記録されます。特に若年層や単身世帯で見落とされがちな項目が、スマートフォン端末の分割払いです。携帯電話料金の支払いが数回遅れただけでも、信用情報機関には「延滞」として記録され、金融機関は遅延履歴を「返済能力の欠如」と判断される場合があります。
| 項目 | 具体例 | 審査への影響 |
|---|---|---|
| 携帯電話料金 | 端末分割代金の支払遅延 | 大 |
| 公共料金 | 口座振替不能 | 中〜大 |
| クレジットカード | キャッシング枠の設定、支払遅延 | 中〜大 |
「一度審査に落ちたら、もう一生ローンは組めないのでは」と不安に思う方は少なくありません。しかし、信用情報の記録には期限があります。金融機関への「申込情報」自体はおおむね6ヶ月で消える一方、延滞などが原因で記録される「異動情報」は5年程度残るのが目安です。
「自分の信用情報に何が記録されているか分からない」という方は、信用情報機関に自分で開示請求をすることができます。
いずれもスマートフォンやパソコンから完結し、開示結果は申込後1〜3日程度で確認できます(手数料や手順は変更される場合があるため、最新情報は各機関の公式サイトでご確認ください)。
延滞などの「異動情報」が残っているのか、「申込情報」だけなのかを正確に把握することが、再挑戦への第一歩です。
| 信用情報機関 | 主な加盟先 | 延滞などの記録が残る期間の目安 |
|---|---|---|
| CIC | クレジットカード会社・信販会社 | 完済・取引終了から約5年 |
| JICC | 消費者金融・クレジット会社 | 完済・取引終了から約5年 |
| KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 銀行・信用金庫 | 延滞等は約5年、自己破産などの官報情報は最長7年(※2024年以降、10年から短縮) |
※登録期間は各機関の運用や情報の種類によって異なります。正確な内容はご自身の信用情報を開示請求して確認することをおすすめします。
一般的に、住宅ローンの審査では「勤続年数3年以上」が望ましいとされていますが、近年では「1年以上」や「1年未満」でも審査可能な金融機関が増えています。しかし、「転職したばかり」という事実は、審査において慎重に見られるポイントであることに変わりありません。
特に注意が必要なのは以下のケースです。
一方で、勤続1年未満でも融資が承認されるケースがあります。
転職直後の住宅ローン審査では、単に源泉徴収票を出すだけでなく、「職務経歴書」や「雇用契約書」を添付し、今回の転職がポジティブなものであるという「ストーリー」を銀行に説明する力が問われます。ここでも、交渉力のあるアドバイザーのサポートが不可欠になります。
住宅ローンの実行条件として、多くの金融機関は団体信用生命保険(団信)への加入を義務付けています。
しかし、高血圧、糖尿病、肝機能障害などの持病がある場合、保険会社の加入審査に通らず、結果として住宅ローン自体が否決されるケースがあります。
健康診断の結果に不安がある相談者は、通常の団信よりも引受基準が緩和された「ワイド団信」を取り扱う金融機関を事前に選定する必要があります。
マイカーローン(車のローン)の残債があると、住宅ローンの借入可能額は減少します。金融機関は年収に対する年間返済額の割合(返済比率)をチェックします。車のローン返済額も返済比率の計算に含まれるからです。
【車のローンがある場合の借入額減少イメージ】
※(概算)年収400万円、金利1.0%、返済期間35年の場合
| 車のローン毎月返済額 | 住宅ローン借入可能額(目安) | 影響額 |
|---|---|---|
| 0円(なし) | 約3,400万円 | – |
| 3万円 | 約2,500万円 | 約900万円 減 |
| 5万円 | 約1,950万円 | 約1450万円 減 |
上記のように、車のローンがあるだけで1,000万円以上も借入額が減る可能性があります。しかし、すべての金融機関が一律に厳格なわけではありません。
一部の地方銀行や信用金庫では、住宅ローンに車のローンを組み込む「おまとめローン」や、返済比率の計算において柔軟な基準を持つ商品を提供しています。
車のローンがあるからといって諦めるのではなく、金融機関ごとの特性を熟知している住宅メーカーのアドバイザーに相談することが重要です。
多くの金融機関では、年収に占める年間返済額の割合(返済負担率)の上限を30〜35%程度に設定しています(年収400万円未満は30%、400万円以上は35%とされることが多い傾向です)。無理のない返済のためには、返済負担率を25〜30%程度に抑えるのが理想とされています。※1
借入期間35年の場合、住宅ローンの借入額は年収の5〜7倍程度が目安とされています。住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」(2024年度)でも、住宅購入世帯の年収倍率の平均値は6〜7倍という結果が出ています。年収倍率だけで見ると借入可能額は大きく見えがちですが、実際の審査や返済計画では返済負担率を基準に考えることが重要です。※1
※1 返済負担率・年収倍率の目安は、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」等をもとにした一般的な数値です。実際の基準は金融機関ごとに異なるため、詳細は各金融機関または担当アドバイザーにご確認ください。
実務の現場では、どの銀行を選ぶか以上に、「誰を通して審査に出すか」が結果を左右します。浜松エリアにおいても、工務店の年間施工棟数や、工務店が過去に持ち込んだ事前審査の件数実績によって、金利優遇の幅や審査の通りやすさが変わる現実は確実に存在します。
最も避けるべき行動は、「個人で直接銀行の窓口に行き、審査を申し込むこと」です。個人で申し込みを行うと、住宅会社が持つ「会社の信用力」や「取引実績」を背景にした金利優遇や有利な条件交渉が一切できません。
また、自分の条件に合わない厳しい銀行(メガバンクなど)に安易に申し込んで審査に落ちてしまうと、その「審査落ち」の履歴が信用情報に残ってしまいます。一度この履歴がつくと、本来なら通るはずだった他の銀行でも「他行で落ちた人」と判断され、審査が通りにくくなるという負の連鎖に陥るリスクがあります。

PGHOUSEアドバイザーは、各金融機関の審査基準を熟知しており、お客様の個別の状況に合わせて「最も好条件で審査に通る銀行」を選定します。一見不利な条件であっても、それをプラス材料に見せるために戦略的に交渉を行います。通常であれば審査通過が難しい条件であっても、担当者の力量によって融資が承認される可能性は大きく広がります。
信用情報や返済負担率が原因で審査に落ちてしまった場合も、次のような選択肢があります。
金融機関によって審査基準は異なります。ある銀行で否決されても、地方銀行や信用金庫など、審査基準の異なる金融機関では通過することがあります。
自己資金(頭金)を増やして借入額そのものを圧縮する、あるいは他ローンを完済したうえで期間をあけて再申込することで、返済負担率を改善できる場合があります。特に延滞などの「異動情報」が記録されている場合は、記録が消えるまでの期間(目安5年程度)を踏まえた計画が必要です。
どの選択肢が最適かは状況によって異なるため、審査基準を熟知した工務店担当者に相談しながら進めることをおすすめします。
住宅ローン審査において、現在の借入状況や過去の延滞歴を隠す「虚偽申告」は絶対に避けてください。金融機関はCICやJICCという「お金の履歴をまとめている機関」であなたの過去をすべてチェックできます。そのため、借金を隠していても100%バレる仕組みになっています。一度でも虚偽が発覚すれば、虚偽申告を行った金融機関からの信頼は失墜し、二度と審査のテーブルに乗ることはできません。正直に申告し、対策を練ることこそが審査通過への最短ルートです。
「うちは大丈夫かな…」と不安になった方へ。
実際に組める資金計画やプランは、専門スタッフに直接相談するのが一番の近道です。
Q. 住宅ローンの仮審査に落ちました。もう家は建てられませんか?
A. いいえ、原因次第で十分に可能です。落ちた理由(信用情報・返済比率・団信など)を特定し、基準の異なる金融機関を選び直せば通るケースはあります。
Q. 仮審査で落ちたのか本審査で落ちたのか、あとから確認できますか?
A. 金融機関から詳細な理由は開示されませんが、どちらの段階で否決されたかは通知されます。
本審査での否決は団信の健康告知が原因のことも多く、仮審査での否決は年収・信用情報が主な要因と考えられます。判断が難しい場合はPG HOUSEアドバイザーにご相談ください。
Q. 車のローンがあっても住宅ローンは組めますか?
A. はい、可能です。ただし、借入可能額が減る可能性があります。一部の金融機関では、車のローンを住宅ローンにまとめることで返済比率を圧縮できる商品を取り扱っています。
Q. 過去に携帯料金の遅れがありますが、審査に通りますか?
A.遅延の回数や期間によりますが、信用情報に「未払いなどの情報(いわゆるブラックリスト)」が載っている場合は、審査がかなり厳しくなります。まずはご自身の信用情報(CIC等)を取り寄せて確認し、PGHOUSEアドバイザーに相談することをおすすめします。
Q. 転職したばかりでも審査に申し込みできますか?
A. 一般的には勤続1年以上が望ましいですが、職種が一貫している場合や、資格職、ステップアップの転職であれば、勤続1年未満でも審査可能な金融機関があります。
Q. 複数の金融機関に同時に申し込んでも大丈夫ですか?
A. 仮審査の段階では3社程度まで、本審査では2〜3社に絞り込むのが一般的な目安です。仮審査で複数社を比較し、条件の良いところに本審査を出すという流れが基本になります。工務店経由であれば、相性の良い金融機関をあらかじめ絞り込めるため、無駄な申込を減らせます。
Q. 一度審査に落ちたら、次はどのくらい期間を空ければいいですか?
A. 「申込情報」自体は6ヶ月で消えますが、延滞などが原因で「異動情報」が記録された場合は5年程度が目安です。まずは自分の信用情報を開示請求し、原因が申込情報だけなのか、延滞などの記録が残っているのかを正確に把握することが、再挑戦への第一歩です。
住宅ローン審査は、単なる数字の計算ではありません。携帯電話料金の履歴、健康状態、車のローンとのバランス、そして「どの窓口から、誰を通して申し込むか」が極めて重要です。一度審査に落ちても、原因と回復のタイミングさえ押さえれば、再挑戦は十分可能です。「自分は大丈夫」という判断は捨て、まずは現状を正確に把握し、審査のプロである工務店担当者に相談することが、理想のマイホームへの第一歩となります。